茶の後は茶懐石をいただきながらいっぱいお酒を頂戴します。ほとんどが女性ですので私はお銚子を持って回っても返杯されるだけです。全員から返杯を受けるころには呂律もそろそろおかしくなります。そのころ茶碗や茶道具が当たるくじを引いてもらい、にぎやかに閉幕。楽しみな茶会ですが、どんな道具を使うか、どんな趣向にするかなど準備が大変で、また道具を拭き、乾かしてしまうことも辛い仕事です。表面の優雅さの裏には目に見えない辛さの積み重ねがあります。それを解消するために、お酒が飲める何人かに残ってもらって、もう一杯。全員からの返杯に「酔うな!」と脳みそに指令を出し続けた緊張をほぐします。
今年皆さんにお配りした記念の扇子に、白い侘び助(椿)の絵を描き「清浄無垢」と書きました。父が亡くなり一人でお寺を切り盛りするために、もう一度原点に戻って、清浄無垢な心で何をどうすべきか見直してゆこうという気持ちを表しました。