去年から月1回、土曜日の夕方始めました。4時集合、本尊様の前で般若心経をお唱えし、座禅解説を住職がして、座禅。その後お粥と大黒の手製の精進を賞味していただきます。6時には解散となりますが、その後任意で、般若湯を酌み交わしながら、座禅の話、人生の話、最近の社会の話などジックリと語り合います。
昨年の住職の話の一つです。「仏教の基本的な考え方」という題でお話しました。仏教の基本は縁起の法です。縁起とは条件と条件が偶然出合ってものは生まれる、ということです。ですから私たちがどう計算しても人生は計算どおりにはなりません。ものごとには固定的で、確定しているものはありません。そこで私たちは無常観を感じます。諸行無常ということになります。諸行無常というと哀愁が伴い、人生の悲哀を感ずることが強調されます。しかし、実は常に変化しているのだから、私たちにとってものごとには実体がなく、一つのことに固執しない、という生きる上での考え方をつかむことが重要です。 お粥と精進料理
どんなに苦しいことでもそれは固定的ではないし、
常に変わってゆくのだから、前を向いて全力で克服する。そんな生き方をすることが仏教的な生き方ということになります。ですから今1秒を大切にして、1秒1秒を全力で生き抜くのが仏教の生き方、諸法無我になります。自分だけがよければいい、という生き方でなく、自分は我慢して、我をはらず、他のために全力で今を 生きることが仏教です。基本的な考えは私達の観じ方となり、基本的な考え方となり、生き方となります。
というような話をし、座禅をくんでもらいます。座禅の間にその話を考え、観じていただいています。
平成17年1月号より